リアルタイムなデータも一つの強みに
- 2020.02.04
- ハンドボール
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みなさん、こんにちは。
前回は、ハンドボールのベンチ入りできるスタッフの人数制限について書かせてもらいました。
5人目に誰を入れるか?という事で、僕だったらという事で
5人目には、アナリストをベンチに入れるという判断をするかと思います。
試合の流れを見て指示をしたりすることも大事ですが、データからこれからの
展開を予想したり、修正することも同じくらい大事だと思っているからです。
しかし、アナリストをベンチに入れなくても、アナリストがベンチにいるような環境を
作り出す事は出来ます。
それは、デジタル機器の使用です。
そして、今回は『ベンチにデジタル機器を持ち込むのは、禁止??』なのか…
というところを書いていこうと思います。
まず、2010年に日本で開催された女子バレーボールの世界選手権において
眞鍋 政義監督がiPadを片手に選手に指示をしている姿を覚えているでしょうか?
iPad内のデータを元に選手に具体的な指示を送り、32年ぶりの3位となり、
見事銅メダルを獲得し、話題になりました。
監督のiPadの画面には、ベンチ外にいるアナリストからの試合のデータが映し出され、
選手の調子の良し悪し、相手はどこを狙ってきているのか、スパイクの方向などが分かるように
なっています。
試合中の選手にとって必要な情報を的確に知ることはとても重要で、
iPadを使うことによって、情報を視覚的に伝わり、高いパフォーマンスを出せるように
なっていると感じます。
他のスポーツではどうでしょう。
サッカーでは、2018年のロシアワールドカップのタイミングで
デジタル機器のベンチへの持ち込みが解禁されました。
これを機会に、リアルタイム分析が一気に進んだ気がします。
試合中にリアルタイムで選手やボールがどういう動きをしたのかという内容が、
スタンドにいるスタッフから正確な数字がデータになって送られてきます。
それによって例えば、自チームの選手のコンディションをチェックしたり、
反対に相手チームの弱点をあぶり出してみたり。
監督・コーチは試合中、臨機応変に戦術を再検証・実行し、
指揮をとることが可能になったと思います。
アナリストによる負担が大きすぎるのではないか?と思うかもしれません。
もちろん大変だとは思いますが、リアルタイムで必要な情報、
チームが求めている情報というふうに絞ることができればそこまで負担も大きくならないで
済むかと思います。
ハンドボールにおいては、どうでしょうか。
IHFにそのようなデバイスを禁止するという規則は書かれていないと思います。
しかし、あまり使っているシーンを見る事はありません。
事前のミーティングでは、電子機器を使いながら分析をしたりと十分に準備は
していると思います。
でも、相手がいるスポーツなのでその対策通りに全てが進む事は少ないかと思います。
準備してきたことに対して相手はそれを上回る作戦を立ててきているかもしれません。
その場合、試合中にその対策を立てなくてはなりません。
もちろん監督・コーチはその場で、対策を立てて選手に指示をしていると思いますが、
それに加えてその試合のリアルタイムなデータがあればもっと早く案が出たり、
気づくことも多いのではないかと思います。
ここまで『ベンチに電子機器を持ち込むべきだ!』と話してきましたが、
もちろんそれに頼りすぎると危険な場合もあります。
スポーツには、論理的なデータを活かすべきシーンと、
瞬間的な判断や人のメンタル的要素に勝負をかけるシーン、両方があるはずです。
エースが不調で下を向く、それにつられ他の選手の状態も上がらず、チームとして
暗いムードになる。
その時のタイムアウトで、電子機器のデータを見せながら選手に話してしまうのは
違うと思います。
その時はしっかり選手の目を見て、ムードを一転させる監督の人間力、コミュニケーション力、
瞬間の勝負勘といったものがデータよりも必要だと思います。
あくまでもチームを勝たせるため、試合を有利に運ぶための一つの手段に過ぎないわけで
データから読み取れない人間の心理的な部分もスポーツの試合中にはあるということを
念頭に置きながら使うことができれば、試合中に欠かせないものになると思います。
そして今現在、専業のアナリストがまだ少ない気がします。
コーチをやっているテクニカルスタッフの方が頑張って兼業されているチームが多いので、
アナリストを究めようとする人がなかなかいません。
今後は様々なスポーツでベンチにある電子機器を使い、リアルタイムに映像やデータを見ていくのが
当たり前になっていくでしょうし、分析できる内容もさらに詳細になっていくと思います。
海外相手に勝つためには、今後アナリストの発掘や育成は必要不可欠だと思います。
選手の能力だけでなく、ベンチ内のスタッフ、ベンチ外のスタッフの総力戦で戦うというのは
日本に合っているとも思います。
「日本のデータはすごい」と言われる日が来るのではないでしょうか。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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