フェロー諸島のここがすごい!! (男子ジュニア世界選手権)
- 2023.06.28
- ハンドボール
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みなさん、こんにちは。
久しぶりの投稿になりました。
もう気が付けば6月もあと数日で終わり、7月になろうとしています。
今回は6/20からドイツ、ギリシャで開催されている第24回男子ジュニア世界選手権(U21)について書いていこうと思います。
6/27日現在、メインラウンドまでが終了しており、決勝トーナメントへ進む 8チームが決まりました。
詳しい結果は日本ハンドボール協会HPから見ることが出来ます。(https://www.handball.or.jp/system/prog/game_event_schedule.php?sd=&sc=g&ed=&eid=284#mr)
日本は、予選ラウンドで3位となり17~32位までを決定するプレジデントカップに進み、コスタリカ、クウェートと対戦しました。
藤坂選手の注目度は、かなり高いように見えます。
個人的には、筑波大の大浦選手も注目してみています。
(とにかくスケールがでかい!!!)
日本は、プレジデントカップ2戦2勝で、グループIIの1位となり、次戦はアルジェリア(グループIの2位)と対戦します。
次戦勝利すれば17-20位決定戦、負ければ21-24位決定戦となります。
次戦が今大会6試合目でタフな試合が続いていますが、色んな国と戦える貴重な試合。
多くのことを吸収して日本に帰って、各チームに日本の将来に還元していただきたいです。
この回では、タイトルにもあるように、予選ラウンド、メインラウンドと今まで5戦無敗のフェロー諸島にフォーカスを当てて、工藤なりに『フェロー諸島のここがすごい3選』を上げていきたいと思います。
1. 選手層の厚さ
フェロー諸島の選手一人一人誰が出ても能力が高いのは言わずもがなですが、特にElias Ellefsen á Skipagøtu (CB:71番)、Hákun West Av Teigum(RW:88番)の両選手はピカイチ。
前者は、2023年シーズンからKielでプレー、後者は2023年シーズンからFüchse Berlinでプレーすることが決まっている(はず…)
Elias Ellefsenに関しては、この世代では頭1つ2つ抜けているように感じます。
判断力、パスセンス、個の強さどれを取ってもずば抜けています。
名前を挙げた2選手だけでなく、試合を通して、誰が出てきてもあまりクオリティーが落ちません。
(GKの2人もすごい)
また、勝ちに行く中でしっかり育成もしていくというところが感じられます。
それが感じられたのは、メインラウンド1位通過をかけて共に全勝で臨んだポルトガル戦。
予選ラウンド、メインラウンドでのブラジル戦からスタートメンバーを6人変えて戦い(RB以外全て変えた)、ブラジル戦までメインとして出ていたメンバー6人を使わず、それまで出場機会が少なかった選手がメインで60分を戦い抜きました。
試合でしか得ることのできない経験値、既に決勝トーナメント進出は決まっていたが60分通して戦い抜き、勝てたということはチームとしてもかなりの自信にもなったはずです。
ましてや、今大会のトップスコアラーのElias Ellefsenを1秒も出すことはありませんでした。
個人のタイトルよりもチームの育成を最優先。U21ということで、全選手が将来のフェロー諸島を背負って立つためのプロセスであり、今大会のことだけではなく、選手、フェロー諸島として、その先を見据えての采配だったのではないかと思います。(当然、主力選手のレストもあったと思いますが)
そして、代わって出た選手たちのハングリーさも見ていて圧倒されました。
特にBjarni i Selvindi (LB:4番)、Bogi HANSEN (RW:8番)。
Bjarni i Selvindiは、The シューター。荒削りではあるが、利き腕側がフリーであればどこからでも打ってきます。見ていて気持ちがいい。
Bogi HANSENは、シュートテクニックはもちろんだが、何本止められようが果敢にチャレンジしていき闘志剥き出しの姿は、見ている方も熱くなります。
ポルトガル戦では2人で、29本ものシュートを放ち存在感を示しました。
ポルトガル戦でPlayer of the matchを受賞したAleksandar Lacok (GK:22番)も安定感抜群で誰もが納得のPlayer of the matchだったのではないでしょうか。
(なんと彼は19歳。。。)
続いて、、、
2. シンプルかつウマ強い
OFの戦術としては、至ってシンプル。
6人攻撃と7人攻撃をうまく使い分けて60分を構成していきます。
(7人については後ほど詳しく書きたいと思います)
基本的に、使う戦術は、PVの移動 (enter / away)をうまく使ってDFの準備しづらい状況を作っていきます。
↓以前の投稿にaway / enterについて触れているので、お時間のある時に是非。
BP3人が右利きであり、利き腕側の突破、プレーの継続、ボールの持ち方、放し際と全てが参考になります。
基本的にパラレルアタックで利き腕側が優位な状況を作り、クリエイトしていきます。
何度も言いますが、本当にシンプルであり、効いている間はとことんやり続ける。
そして、BP3人(特にElias Ellefsen)の観察力に注目して見てほしいです。
DFの状況(足の向き、高さ)を観察し、自分が優位に立てる瞬間を見逃しません。
優位に立てると判断した瞬間にギアを上げ、1つ2つ先のDFも観察してプレーを選択します。
個の強さはあるが、こういった観察力は若い選手はぜひ真似してほしい部分です。
『自分が優位に立てる瞬間を探る能力が高いからこそ、シンプルが強い』
最後3つ目は、、、
3. 絶対的自信の7人攻撃
今大会屈指の7人攻撃の使い手と言ってもいいと思います。
主要Opening (きっかけ)は、2つ。
簡単に言えば、PVがいる位置が変わるだけで、7人攻撃でもPVの移動をうまく使います。
Elias Ellefsenを中心にパスフェイクを上手く使って、DFを揺さぶり、サイドへのパスも駆使してDFを広げ、広くなったところをBP陣が突破するといったように、DFを動かすのがとにかく上手いです。
そして、Elias Ellefsenのパスのタイミングが絶妙。BPへのパスが「そうやって通すのか。。」となります。
バウンドパスの使い方が見ていて面白い。
対戦相手もDFシステムを5-1に変えたりして、止めにかかるがなかなか止めることができません。
Elias Ellefsenに対して、オープン (マンツーマン気味)にした時に少し停滞した時間もありましたが、他のBP陣に広くなったスペースを使われ、崩されてしまう。
ここにきても選手層の厚さが、7人攻撃を支えています。
さらに、こちらのデータをご覧ください。(VPNの関係上、アンゴラ戦視聴不可)
とにかくテクニカルミスが少ないことが見てとれます。
基本的に1次速攻以外はあまり速攻に行かず、セットOFで得点を伸ばしていくスタイルです。
唯一、欠点と言うならば予選リーグのスペイン戦の後半に見られた、リスタートや3次速攻時に勢いをつけて1on1を仕掛けられた時くらいかなと。
なるべく退場を出したくないフェロー諸島は、危険になりそうなシーンは接触せずにGKに任せる。
(これがまた、GKもよく止めるのだが。。)
スペインはそういったところをうまく付き、得点を伸ばしていこうとしているように見えました。
「7人攻撃を止めれないのであれば、7人攻撃が出来ない状況を作り出すしかない」と言ったところでしょうか。
その結果、展開が早くなり他の試合よりも攻撃回数が増え、スペインのペースで試合を展開できている時間帯もありました。
どこの国も手を焼いているフェロー諸島の7人攻撃。
これからの戦いも要注目です。
ざっとここまで3選に分けて、ただただフェロー諸島の凄さを書いてきましたが、決勝トーナメントでvsフェロー諸島に対して、Elias Ellefsenに対してどう戦ってくるのか楽しみです。
ヨーロッパ勢も何か手を打ってくるはず。
互いに多少準備する時間もあるだけに、次戦6/29 フェロー諸島vsセルビアは面白い試合になるのではないでしょうか。
これまでの試合もYoutubeから見ることができます。(日本ハンドボール協会の第24回男子ジュニア世界選手権ページからもリンクに飛べます)
まだ見ていない人は、ぜひご覧になってみてはどうでしょうか。
日本の試合も6/28(水)20:15 vsアルジェリアがあります。
みんなでTeam日本にパワーを送りましょう!!!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
では、
Vi ses!!!!!
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