面白さ、楽しさを引き出すプレーの選択肢
- 2022.09.08
- ハンドボール
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みなさん、こんにちは。
今回は、2020シーズンから2シーズン、三重で監督とアナリストとして共にした現中部大学コーチの櫛田さんと深めていったOFの個人戦術について書いていきたいと思います。
今回大きく分けて3つ紹介(映像を交えて)していきます。
伝えたいことを先に言いますと、「このきっかけだからここを狙おうね」とかではなくきっかけに関わらずプレーの選択の一つとして標準装備をしておくことが大切ということです。
選手一人一人の引き出しを増やすものであり、コミュニケーションを取るためにあるツールのようなものです。
最終局面のレパートリーを増やし、攻守ともにプレー中の駆け引きの面白さ、ハンドボールの楽しさをもっと感じていただけたらと思います。
前書きはこれくらいにしておいて、早速1つ目にいきましょう。
1. PV away 1on1
JHLを見ていてもほとんどのチーム/選手がやっているこのプレー。
PV(ポスト)が抜けてDFが準備しづらい状況で1on1を仕掛け、突破を試みる。(ここではPVが抜ける動きのことをawayと呼びます。)
余談ですが、逆にPVが入ってくる動きのことをenterと呼びます。
awayの意味 : 離れて、向こうに etc enterの意味 : 入る、入り込む etc
それでは実際に映像を見てイメージをつけていきたいと思います。
やっていることは至ってシンプルです。
PVが3枚目の外まで瞬間的にawayすることで3枚目がPVに釣られてDFが孤立し、準備しづらい状況(高さも出せず、方向付けもしづらい状況)を作り出すことが出来ます。
ここでのポイントとしては、PVのawayのタイミングとPM(センター)の1on1のタイミングを合わせること。
awayが早すぎてはDFに準備する時間(高さを出して方向付けができる時間)を与えてしまいますし、遅すぎてはPMが思い切って1on1かけれませんし、PVも次への準備が遅れてしまいます。
映像はPM-PVとの関係性ですが、BP(45°)-PVとの関係性でも同じようなことが言えます。
最近では、5-1DF相手にもPVをフルバックと2枚目の間に置き、PMからBPへのパスのタイミングでPV awayを使ってBPの1on1を使って展開するOFも増えてきました。(北國銀行が8/11に行われた大阪ラヴィッツ戦でも使用していたプレーです)
2.2on3
続いて、2つ目に紹介するのは近年、世界でも増えてきているプレー。
1で紹介したPV away 1on1の後やPVが1つ外(2on2 classic)にいる時にこの2on3のプレーの選択肢が考えられます。
↓ 用語の統一のための2on2の呼び方(みなさんなんて呼んでいるのか気になります。。。)
PVにはいかにDFの表を死守出来るかが鍵となってきます。(awayの後は特にムーブメントスキルが必要)
Tarńowで活躍する日本代表 吉田選手の2on3のポジション取りがもう素晴らしすぎます。
ブロックをかける時に2枚目DFをどうコントロールするかが重要。
ブロックの瞬間に一歩上に上がり、DFに後ろから抱えさせて退場を誘発しつつ得点にも繋げる。 pic.twitter.com/WD79kRkKXB— YOSHIDA SHUICHI(吉田守一) (@yoshidahandball) July 31, 2022
このように2枚目の表をはっきり取ることで安心してパスを出すことが出来ます。
BP、PMにはPVパスのアイディアを増やし、精度高めていくという接触を伴う状況でのボールコントロールスキルが必要になってきます。(ボールの持ち方含め)
こういったスキルは遊びの中やウォームアップの中でも伸ばしていくことができるのでどんどん実戦でチャレンジしていってほしいものです。
3. トライアングル
3つ目に紹介するのはトライアングルです。
パサー、受け手、PVが三角形の関係性になることからトライアングルと呼んでいます。
例えば、2で紹介した2on3を狙ったがPVに落とせないシーンも必ず出てきます。
(PVパスラインにDFがいる、2枚目がPVにかぶしている、2枚目がPVに寄ってカットされる危険性があるなど)
その時にPM → PVではなく、2on3を狙いながらPM → BPにパスを振りトライアングルを作りながら外側の3on2を解決していきます。
ここまで頭の中でイメージをして、映像を見ていきましょう。
頭の中でのイメージと実際に映像を見て、ふむふむ。なるほどなるほど。となったでしょうか。
映像は、ほんの一例に過ぎず様々な状況でトライアングルというのは発生していると思います。(BP2on2の展開から3枚目をつり出してBP → PM → PVなど)
ここで大切なのは受け手(BP / PM)のポジショニングです。
せっかく+1を作ったのにポジショニングが悪く(DFの正面にいる、位置が高すぎる)、+1を保ち続けることが出来なかった経験や「DFの間に入れ」と言われた/言った経験は1度はあるのではないでしょうか。
「DFの間」って少し抽象的だとは思いませんか?
図の通り▲(OF)の位置はどこも〇と〇(DF)の間と言えます。
これを櫛田さんはなんて指導をしていたこと言うと「DF間の垂直二等分線を取ると+1を保ち続けることが出来る」と指導していました。
これを聞いたときはもう共感の嵐でした。(櫛田さんも大学時代に当時中部大学の蒲生監督に言われてすごく共感したと言っていました。)
垂直二等分線と言うことで、さっきまで抽象的だった間ということがここか!となります。
当然、DF間というのは流動的に変わっていくのでOFのポジショニングもそれに応じて変えていく必要があります。
この考えを踏まえてもう一度、トライアングルの映像を見てみるとさらに理解が深まると思います。
先ほど紹介した垂直二等分線のポジショニングについてもう少し深掘りしていきたいと思います。
DFの間という部分はすっきりしたと思います。
あとは位置取りの高さも重要です。
ここの高さの部分においては正直、人それぞれのプレーのしやすい高さがあると思います。
共通して言えることとしては、戻ってくるDF(寄ったDF)が間に合わない/関与できない高さを取ることが必要となってきます。
せっかく+1を作ってDF間の垂直二等分線を取っていてもボールをもらう位置がゴールから遠すぎてはシュートに行くまでにDFが間に合い+1が保ち続けられません。
そういう話をしている時に選手からよく出ることとして「クロスアタックが怖い」というワードです。
そのことについて図を用いて説明していきたいと思います。
クロスアタックが怖いからといって高い位置にポジショニングを取ってしまうとせっかくPMが2枚目を寄せたのにBPが走り込む時には2枚目が間に合ってしまいます。(図ではBPと2枚目、1枚目の関係性ですがどこのポジションでも同じことが言えます)
この辺りを頭に入れて映像を見ていこうと思います。
映像の3本目に関しては、もともと合わせていたスカイプレーというよりも垂直二等分線の走り込みが生んだアドリブのスカイプレーかと思います。(2本目も3本目もPMのポジショニング、BPのポジショニング+走り込みがパーフェクト)
こういったポジショニングの攻防はハンドボールの魅力の1つとも言えます。
三重バイオレットアイリス:原選手のアウトのポジショニングは中高生は特に参考にしてほしいです。
こういった観点から試合を見るのもまた面白いのではないでしょうか。
ここまで大きく分けて3つ(PV away 1on1 / 2on3 / トライアングル + 垂直二等分線)紹介してきましたが、どこのチームもこういったシチュエーションは練習・試合の中でも多くあると思います。
最初にも言ったように、「このきっかけだからここを狙おうね」とかではなくきっかけに関わらずプレーの選択の一つとして標準装備をしておくことが大切です。
また、チームとしてのプレースタイルはそれぞれ違うと思いますが、最終局面でのこういったプレーモデルは育成年代(中高生辺り)で落とし込みをしておく必要があると思います。(こういったプレーの選択肢を理解し、部分的なトレーニングで落とし込み頭と身体で理解する)
活動時間の関係、指導者の有無など様々な要因でチーム戦術を落とし込むトレーニングが多くなってしまうことはわかりますが、将来的に苦労する選手もたくさんいます。
日本全体としての育成プロジェクトの確立、統一がもっともっとなされたら将来の日本ハンドボール界もさらに明るくなるのではないかと個人的には感じています。
そのためにも微力かもしれませんが何か力になれたらと思います。
どんなトレーニングをしたらいい?もっと深く知りたい、どういう意味?など疑問に思うことがあればいつでも連絡いただけたらと思います。
まだまだ自分自身も勉強中であり、さらに新しい発見も見つけていけたらと思います。
また近々この続きも書けたらと思います。
長くなりましたが、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
感想、質問等お待ちしています。
では、
Vi ses!!!!!
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