今この瞬間に全力をつくせ
- 2020.01.13
- ハンドボール
スポンサーリンク
みなさん、こんにちは。
滅多に本を読まない僕ですが、先日日本に帰った時に、ある本を読みました。
今回はその本の紹介をしたいと思います。
それは、大阪体育大学女子ハンドボール部の楠本 繁夫監督が書いた
「今この瞬間に全力をつくせ!」という本です。
この本は、2011年に出版されており、2010年から大阪体育大学の教員となったので、
その翌年に出された本となっています。
この本は、楠本監督の学生時代の話から京都府立洛北高校に赴任してからの話など
どのような選手だったのかどのようにして公立高校を強豪校とまで呼ばれるように変えたのか
といったような部分が書かれています。
選手時代では、右バックとして全日本学生選手権優勝 (インカレ) に貢献をし、
選手としても全国で『勝つ』厳しさだったり全国で『優勝』する喜びを知っています。
また、「このメンバーであれば勝てるだろう」というプレッシャー、勝つという難しさも
当時の心境を織り混ぜながら書かれてあります。
そして、大学卒業後、京都府立洛北高校に赴任し、当初は男子ハンドボール部も指導していましたが、
合宿ボイコット事件を境に女子の方に力を入れていきました。
このような事件が起きなければ、男子の方を主で見続け、
また違うことになっていたのかなと思います。
言い方を変えれば、そのような事件があったからこそ
今の大阪体育大学の7連覇があるのだと思います。
赴任してから23年間で、女子高校界初のインターハイ4連覇や2年連続高校3冠を達成など
数々の栄冠を手にしてきましたが、初めから特別強かったわけではなく、
しかも公立高校ということで経験者ばかりが入ってくる高校ではなかったが、結果に伴い
入学してくる選手も徐々に変わっていったりと強豪校になっていく歩みも書かれています。
そこには、楠本監督の様々な努力が書かれていました。
例えば、中学校のハンドボールの大会を観に行くのはもちろん、
他種目にも目を向け、観戦に行き、ハンドボールをやらないかと声をかけたりと
将来性を見据えて、中学生を観察し、洛北高校のハンドボール部に入ってもらうといったような
エピソードもありました。
これは、楠本監督も実際にそうであったように、
元々中学までサッカー部に所属をしていた楠本監督は高校でもサッカー部に入ろうと考え、
高校に進学しましたが、様々なことがあり少し遅れてハンドボール部に入学しました。
他のスポーツで取得したスキルは、ハンドボールでも使えるということを
知っているからこそ、他種目の選手にも声をかけているのだと思います。
次第に強くなっていく洛北高校の姿、指導者ならではの苦労も書かれており
こうやって強くなっていったのかと参考にするべきことも多く書かれています。
また、選手時代にも味わった『勝つ』という難しさ、
『勝たないといけない』というプレッシャーも指導者からの目線でも書かれており、
選手と指導者の比較もしやすいかと思います。
そして、僕がこの本で印象に残っている部分は、
大阪体育大学に移った最初の年 (2010年)の全日本学生選手権 (インカレ)
について書かれている場面。
決勝は、大阪体育大学と大阪教育大学の関西対決となり、
楠本監督が指揮をとる大阪体育大学にも洛北高校時代の教え子がおり、
大阪教育大学にも洛北高校時代の教え子がいるという状況かつ
大阪体育大学に移って一番最初の大舞台。
このドラマのようなシナリオは、読んでいて興奮しました。
僕自身この時の試合をインターネット越しで観ていて、ものすごい試合だったことを
今でも覚えています。
しかし、その当時はそのような背景のことを知らなかったので、
それを知った今、もう一度観たら違う感覚で観れるのかなと思います。
この本で書かれているのは、2011年の出来事までですが、
何度も日本一に輝いた名将から、次世代にハンドボールの魅力を伝えている指導者、
あらゆる年代層、立場で悩んだり、壁にぶつかっている人々へのメッセージ、
ヒントが込められた一冊となっています。
気になった方はぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
スポンサーリンク